バイオフィルムについて

皆様、こんにちは!

歯科衛生士の市川です

皆様の中で、もしかしたら、ムシ歯が出来やすくお悩みの方や、歯周病が進んでお困りの方がいらっしゃるかもしれません。

ムシ歯や歯周病を引き起こす原因はいくつもありますが、その中の1つにバイオフィルムが挙げられます。

今回は、「バイオフィルム」についてお伝えしたいと思います。

どこかで耳にした事があるかもしれませんが、バイオフィルムは以外と私達の身近に存在しています。

バイオフィルムは、バイ菌が増殖した粘性のある細菌膜で、バイ菌が外的要因(薬剤、体内の免疫反応、口腔内の環境変化など)から身を守る為に作ったバイ菌の塊です。台所や風呂場の排水口や川底の石にヌルヌルとしたヌメリの膜が出来ますが、これもバイオフィルムです。

バイオフィルムは、水分のある環境で主に固形物の表面を好み、お口の中では歯に付着してムシ歯や歯周病を引き起こします。

厄介なのは、歯の表面にネバネバと強固にへばりついているので、毎日行っている歯磨きでのハブラシやうがいでは取ることは出来ず、抗菌剤も効きません。

バイ菌の繁殖条件は、30〜40度の湿った場所で栄養のある環境。

人間の体温と唾液と磨き残し等の栄養源が豊富なお口の中は条件が揃っており、バイ菌にとっては最高の住心地の良い環境なのです。

歯を磨く人でも1000~2000億個、あまり歯を磨かない人では4000~6000億個、更に歯を磨かない人だと1兆個ものバイ菌が住みついています。

驚く事に、歯磨きした直後でも1000億個は存在しています。

お口の中では、食後8時間位で歯の表面にバイ菌が付着して仲間を増やし、48時間後には急速に菌が成長して増殖し、72時間後には完全なバイオフィルムとなります。

バイオフィルムは、歯磨きでもうがいでも抗菌剤でも取りきれないので、歯を磨いた後でも存在し続けます。 

バイオフィルムと歯の間はバイ菌が自由自在に活動出来る為、ムシ歯も歯周病も進行しやすい状況が出来あがってしまいます。

では、この状況を脱するにはどうしたら良いのでしょうか?

予防歯科の父と呼ばれるスウェーデンのアクセルソン博士は、30年以上にわたる研究の中で「ムシ歯や歯周病になりやすい所についているバイオフィルムを専用の器具でクリーニングする事で、97%歯が守られて残していく事が出来る」と発表しています。

そして、その為に考えられたクリーニング方法がPMTCです。

PMTCは、専門的な器具と材料でバイオフィルムを除去し、バイ菌を減らしてお口の中の環境を整えて歯を守る処置です。

ですが、歯科医院でバイオフィルムを除去しても、3ヶ月もすればバイ菌達の繁殖力が復活しまた悪さを始めてしまいます。

なので、予防治療としてPMTCを3ヶ月に一度を目安に続ける事が何よりも大切なのです。

定期的にバイオフィルムを除去する事で、バイ菌が繁殖しにくい衛生的な口腔内環境に整えていけます。

かがみ歯科医院では、PMTCにてバイオフィルムを取り除きツルツルな歯面に仕上げ、歯の健康を守るお手伝いをさせて頂いています。

歯科医院でバイオフィルムを除去した後もご家庭での毎日の歯磨きが重要になってきますので、次回はバイオフィルムに対して効果的な歯磨き剤についてお伝えしようと思っております。

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